受講生がよく間違える箇所(3級、仕訳問題)

 

修了確認テストや直前模擬試験の添削を行っていて、受講生がよく間違える箇所をピックアップしてみました。

掲載文は、実際に添削を行った文面(若干、修正しています)となっています。掲載文中の数値は、海生ゼミで行った問題の数値です。

 

仕訳問題(1)

仕訳問題から、よく間違える箇所について、添削した内容をピックアップしてみます。

 

現金過不足

商品の購入の際の引取運賃

商品販売時の発送費

給料の支払における立替金と預り金

未収金と売掛金

前払金と前受金

貸倒引当金

裏書譲渡を受けた手形について

為替手形

手形貸付について

貸付金利息の計算

有価証券の勘定科目

有価証券購入時の手数料

有価証券の評価

固定資産売却取引の意味

固定資産の売却

引出金

損益勘定

かねて・・・という文章の意味

 

 

 

 

 

 

 

現金過不足

※基本的な考えを押さえておきましょう!

月末・期末において、現金の実在高と現金の帳簿残高が異なっている場合が、現金過不足勘定を使用する場面となります。

現金過不足は、次の流れを押さえておきましょう。

@現金勘定→現金過不足勘定  

現金過剰の場合は、現金過不足勘定の右(貸方)に来ます。逆に、現金不足の場合は、現金過不足勘定の左(借方)に来ます。

A現金過不足勘定→適切な勘定

適切な勘定に振り替えた後、現金過不足勘定は残高がゼロになります。

 

※現金過不足の問題は、結果として、どの勘定に振り替えるのかを考えます。

まず、受取利息12000が記入もれがあるならば、記入してあげればいいのです。受取利息は収益なので右に書きます。

交通費9000が二重計上しているということは、左に2回、9000と記帳しているので、1回分多いため、右に書いてあげます。

このように現金過不足勘定からどこの勘定に振り替えるかを先に考えた方が理解しやすいでしょう。

 

 

商品の購入の際の引取運賃

※商品購入は、3分割法では仕入勘定で処理し、分記法では商品勘定で処理します。いずれにしても、引取運賃は、商品の取得原価に入りますから、仕入または商品として処理します。

 

※原価140000の商品を・・・という文章があるため、商品という勘定を使っているのかと思いますが、通常、3級では3分法(繰越商品、仕入、売上)で処理しますので、商品という勘定は使いません。

 

 

商品販売時の発送費

※発送費が当店負担であれば、発送費という費用で処理しますが、発送費を先方が負担する場合、先方に請求できます。ですから、売掛金となります。取引は、発送費を立て替えていますので、立替金としたいところですが、商品取引における債権は一般的に売掛金で処理します。

 

 

給料の支払における立替金と預り金

※預り金は、従業員からお金を預っている場合、たとえば、源泉所得税や社会保険料の従業員負担分が該当します。従業員の生命保険料を立て替えているとき、会社では、(借方)立替金35000(貸方)現金35000の処理をしています。立替金、つまり、従業員に対して35000を請求できる権利を表します。

そして従業員に請求できる権利をあらわす立替金で処理しているものを給料から支払ってもらったため(天引きという形で)、立替金を減少させます。

 

 

未収金と売掛金

※未収金と売掛金は未回収という意味では同じですが、商品取引の未収分は売掛金、商品取引以外、たとえば有価証券の売却や固定資産の売却などの代金の未回収は未収金を使います。

 

 

貸倒引当金

※当期に貸倒れが発生した売掛金については貸倒引当金は設定されていないため、全額、当期の費用となり、貸倒損失で処理します。

前期分の売掛金が当期に貸倒れとなった場合、貸倒引当金を設定していますので、貸倒引当金を取り崩します。

もちろん、貸倒引当金以上の貸倒れが発生すれば、その金額は貸倒損失となります。

問題で、10000は当期発生した売掛金が貸倒れしたため、(借方)貸倒損失10000(貸方)売掛金10000となります。

90000は前期発生した売掛金で、今、貸倒引当金が100000円ありますので、(借方)貸倒引当金90000(貸方)売掛金90000となります。

もし、前期発生した売掛金が120000円で、貸し倒れたとしますと

(借方)貸倒引当金100000  (貸方)売掛金120000

   貸倒損失  20000

となります。

 

 

前払金と前受金

※仮払金を前払金と仕訳する間違いが多いです。概算での支払時は、まだ、何にいくら使ったのか不明ですから、仮払金勘定で処理します。前払金は、商品の購入のための手付金を支払った場合に使用する勘定科目です。

 

 

裏書譲渡を受けた手形について

※裏書譲渡を受けるということは、手形の受取人です。

 

 

為替手形

※買掛金の減少と仕訳をしていますが、為替手形の引受があれば、買掛金が減少すると考えているのではないでしょうか。もしそうであれば、次のことを理解してください。

仕訳は取引を表し、取引にはさまざまなものがある・・・ということです。

手形については、まず、誰が手形を受け取り、誰が手形の代金を支払うかを考えます。

1400000のうち、900000について、当店は、為替手形の引受をしていますから、手形の支払人となります。

そして、残額500000について、約束手形を振り出していますので、これも手形の支払人となり、合計1400000が支払手形と確定します。

 

※当店宛て為替手形を振り出すということは、当店がこの約束手形の支払人となりますので、売掛金の減少ではなく支払手形勘定の増加となります。

 

※当店指図為替手形とは、当店が手形の受取人となりますので受取手形です。この文章がわからなくても、得意先引受済とあり、引受者が手形の支払人となりますから、当店ではないことがわかります。

 

 

手形貸付について

※貸付金でも正解です。ただ、お金を貸し、担保として手形を受取っている場合は、手形貸付金という勘定を使うケースがあります。本試験では勘定科目は指定されます。

たとえ手形を受取っても、受取手形ではなく、取引は貸付で、担保として手形をもらっているので、手形貸付金となります。

 

 

貸付金利息の計算

※利息ですが、1年分は150,000ですが、この取引は期間4ヶ月なので4か月分として計算してください。

 

 

有価証券の勘定科目

※短期売却目的で所有している有価証券は、「売買目的有価証券」という勘定科目を使用します。


 

有価証券購入時の手数料

※有価証券の購入時に支払います手数料は有価証券の取得原価となります。

 

 

有価証券の評価

※前期末に\680と評価を替えています。切放法は、評価を替えた金額で考えます。ですから、\680のものを730で売却した取引となります。切放法のほかに洗替法というものがありますが、これは一旦680に評価を替えたものを、翌期首に元の金額、この問題ですと、700に戻します。ですから、700730で売却した仕訳になります。

 

 

固定資産売却取引の意味

※まず、売却前を考えて見ましょう。売却前の備品の金額は700,000、備品減価償却累計額の金額は525,000ですね。備品は借方、つまり左、減価償却累計額は貸方、つまり右側にあります。

この700000-525000=175000の金額が、備品の帳簿金額といいます。つまり、売却時の計算上の価値を意味します。175000のものを200000で処分すれば25000だけ得します。これが売却益です。まず、取引を理解しましょう。そしてこの取引を表したのが解答の仕訳です。

 

 

固定資産の売却

※減価償却費は、前期末までの減価償却費の合計、つまり、減価償却累計額と、当期の期首から売却月までの減価償却費を計算する必要があります。

まず、前期末までの減価償却の計算を行います。

  前期末までの減価償却費の合計(つまり、減価償却累計額の金額)

    500000×0.9÷5=90000

次に当期の売却までの減価償却費の計算を行います。

    4月から11月までの8ヶ月間   500000×0.9÷5×8/12=60000

仕訳は次のように考えます。

当期の減価償却費   (借方)減価償却費60000(貸方)減価償却累計額60000

売却の仕訳      (借方)減価償却累計額150000(貸方)備品500000

              未収金380000       固定資産売却益30000

結局、解答は上記の仕訳を合算したものになります。

ちなみに解答の方法に次の2通りがあります。

@(借方)減価償却費60000    (貸方)備品500000

     減価償却累計額90000    固定資産売却益30000

     未収金380000

A(借方)減価償却累計額150000  (貸方)備品500000

     未収金380000        固定資産売却益30000

 

 

引出金

※個人の支払い、つまり事業の経費とならないものは、費用として処理できません。これは引出金で処理します。

 

 

損益勘定

※損益勘定から資本金勘定に振り替える処理です。ちなみに当期純利益や純損失という勘定はありません。純利益や純損失は損益勘定で算定され、その金額を資本金勘定に振り替えます。

当期純利益や純損失という勘定はありません。純利益や純損失を表す勘定科目は損益という勘定科目です。

 

※決算におきまして、帳簿はすべて締め切る作業を行います。

これは、T勘定を書いている総勘定元帳も行います。では、費用や収益の勘定を締め切るために何をしなければならないのかといいますと、費用や収益の残額をすべて「損益」という勘定に振替ます。そうすることで、費用と収益の勘定は締め切られます。簡単に言えば、勘定を締め切るということは、左右の金額が同じになるということです。

たとえば受取手数料が6000としますと右に6000あります。受取手数料の勘定を締め切る、つまり左右の金額を同額にするためには、左に6000書けばいいのです。

もちろん、仕訳勘定への転記という流れがありますから、左に6000書くということは、どこかの右に6000を書く必要があります。それが「損益」という勘定です。

したがって、仕訳は、(借方)受取手数料6000(貸方)損益6000となります。

たしかに、収益が左にきたり、費用が右に来るのはなかなかしっくり来ないと思いますが、上記のように理解してください。

そして、収益と費用がすべて損益という勘定に振り替えられたとしましょう。

収益の合計が50000、費用の合計が30000とします。差額20000が利益、つまり儲けとなります。

また、損益という勘定も締め切る必要がありますから、いま、20000だけ右側が大きいため、左側に20000と書けば、損益勘定の左右の金額は一致します。

儲けが出れば、資本金(財産)が増えますから、資本金の右に20000がきます。

仕訳は次の通りです。

(借方)損益20000(貸方)資本金20000

ただ、このように利益が出れば資本金は増えますが、反対に損失が出れば資本金は減少します。

たとえば、10000の損失が発生したとしましょう。

(借方)資本金10000(貸方)損益10000

となります。

いつも、資本金が(貸方)に来るとは限らないこともあります。

 

 

かねて・・・という文章の意味

※かねて・・・とあれば、何かの処理をしていると考えてください。

ここでは、(借方)現金800000 (貸方)仮受金800000と処理していると考えます。

そこで、この仮受金を適切な勘定に振り替えることになります。

 

※かねて現金過不足で処理していた・・・という文言があるということは、(借方)現金過不足105000(貸方)現金105000の仕訳をしていることが前提となります。

ここで、現金を減少させるわけではありません。

 

※注文時に支払った・・・とありますので、注文時に、(借方)前払金150000(貸方)現金150000の仕訳をしていることが、本問の前提となります。

 

 

 

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