105回の第3問を解いてみましょう。
過去問を用意してください。


まず、本店と支店における内部取引を表す勘定科目を次のように書きます。

前T/Bとは、決算整理前残高試算表を意味します。

左側に本店の勘定を、右側に支店の勘定を書きます。

そして本店における決算整理前残高試算表(前T/Bと略します)の支店勘定の金額を書きます。通常、支店勘定は借方残高ですので、左側に書いています。

次に、支店における決算整理前残高試算表(前T/Bと略します)の本店勘定の金額を書きます。通常、本店勘定は貸方残高ですので、右側に書いています。

なお、問題によっては、これらの金額が空欄になっているケースもありますが、その場合は(    )としておけばいいでしょう。

空欄となっている理由は、未達事項の整理をすれば、支店勘定と本店勘定は貸借逆で一致するから推定で算定できるからです。

ではここから、まずは未達事項の整理に入ります。

仕訳は次のとおりとなります

1)支店側  (借方)本店から仕入  2,400   (貸方)本店   2,400

2)本店側  (借方)現金預金    400    (貸方)支店    400

3)本店側  (借方)買掛金       3,000    (貸方)支店   3,000

4)支店側  (借方)一般管理費   1,600    (貸方)本店   1,600

 

この仕訳ができても問題は解けません。この仕訳を決算整理前の残高に反映させる必要があります。

下に書いた勘定については、未達事項の仕訳の金額をこの場所に金額を転記すればいいのですが、それ以外の勘定の金額、たとえば、本店の現金預金の増加400は、残高試算表の本店における現金預金の金額308,200の近くに+400と鉛筆で書いておきましょう。買掛金3,000は、本店の買掛金の金額150,000の近くに−3,000と書き、また、一般管理費は、支店の一般管理費52,000の近くに+1,600と書いておきましょう。

        支店                    本店

結果、支店勘定は借方残高360,000、本店勘定は貸方残高360,000となり、貸借逆で一致しました。また、支店への売上勘定と本店から仕入勘定も貸借逆で一致しました。

 

仮にこの問題が、本店の残高試算表の金額が空欄の場合は次のようになります。

本店勘定の貸方残高が360,000となるため、支店勘定の(   )の金額は次のように簡単に求められます。360,0004003,000363,400

 

 

さて、未達事項の整理が終わったら、次は決算整理に入ります。

商品関係以外の決算整理、たとえば、貸倒引当金等は省略します。

では、商品関係についての決算整理に入ります。

商品の処理については、本支店会計に限らず、商品の流れ、つまり、期首在庫、仕入、払出、期末在庫の関係が把握できればいいのです。

 

ここで、商品の流れを考えます。

《本店の商品の流れの説明》

期首の在庫83,000(残高試算表の繰越商品の金額)、当期仕入は610,000(残高試算表の仕入の金額)、期末の在庫は98,000(問題文)となっています。支店への売上が218,400ですから、その原価は218,400÷1.2182,000となります@。したがって外部への売上に対する原価は、83,000+610,000-182,000-98,000=413,000と判明しますA。

《支店の商品の流れの説明》

期首の在庫は、支店の帳簿の金額が104,000(残高試算表の繰越商品の金額)となっていますが、残高試算表に繰延内部利益が14,000あるため、104,000の中に内部利益が14,000含まれていることが判明します。つまり、104,000の内訳が次のように判明します。

本店より仕入分 14,000÷0.270,000(原価) よって70,000×1.284,000

外部仕入分 104,000-84,000=20,000

外部仕入が160,000、本店からの仕入が未達分を除いて216,000です。この段階で、期末の帳簿の在庫は、外部仕入分が20,000、本店からの仕入分が76,800となっています。そして、未達の商品2,400があることが判明したため、この商品が到着したと考え、本店より仕入の処理をし(これが未達事項の整理)この未達商品は、当然に期末の在庫に入ります。

そこで、外部への売上に対する原価Bを計算してみましょう。

期首商品104,000+当期仕入(160,000+218,400)―期末商品(20,000+76,800+2,400=383,200になりますB。

 

そしてここから、内部利益を除いた商品の流れを図で表現することにします。この図こそが、最終的なP/L,B/Sの金額になります。

つまり、本支店会計のポイントは、本支店間の商品取引にありますので、2つの図を描くことで、確実にどのような問題にも解答できるのです。

 

通常の問題集の解説には、商品についての仕訳が記載されていますが、本支店会計の問題が、精算表でない限り、仕訳は不要になります。

ただ、精算表の出題も考えられますので、参考までに仕訳をしておきます。

 

まず、第105回の本支店の問題は、支店の繰越商品104,000の中に、内部利益が14,000含まれていることが、残高試算表の繰延内部利益勘定の存在で判明します。

 

 

本店の決算整理仕訳

(借方)仕入     83,000 (貸方)繰越商品 83,000

(借方)繰越商品 98,000 (貸方)仕入     98,000

支店の決算整理仕訳

(借方)仕入    104,000 (貸方)繰越商品 104,000

(借方)繰越商品 99,200 (貸方)仕入      99,200

 

本店支店合算後に行う、内部利益控除の仕訳(本店で実施)

    (借方)繰延内部利益     14,000 (貸方)繰延内部利益戻入 14,000

    (借方)繰延内部利益控除 13,200 (貸方)繰延内部利益      13,200





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